梅雨の晴れ間
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今週も1日だけ仕事を忘れインプット。天内さんのレクチャにからめ宇都宮の建築を巡る。同行は毒島設計室の毒島くんほか、1+α。
毒島くんの新作、宇都宮大峰キャンパスの倉庫を見て。小さいのに良くやっている。本人が好きなライト、というよりよりさらに日本的な遠藤新、さらにそれを渋くしたというか。ライトにあこがれ内井昭蔵事務所の門をたたいたのが良く解る。
宝積寺駅舎、ちょっ蔵広場、それとステンレスワイヤーフレームによるオブジェ。
作品云々はおいておいて、最近思うこと。東大のメインストリームを生きる建築家は、従来の考え方を超える、否定する、否定していたものを肯定することで、新しい価値の創造を行なうことに重きを置いてきたように思う。作品をつくり、論文をしたため、メディアを利用し、知らしめる形で。フェイクと本物、表層と構造を並列に、そして等価に扱う隈研吾氏。機能主義を超え、原っぱ的建築を唱え、造形を肯定する青木淳氏。永遠の建築を否定し、消費される建築、風のような建築を掲げた伊東豊雄氏。建築という概念の解体を試み、現代美術としての建築を志向した磯崎新氏。構成と構法に日本的なるものを感じさせつつきちんと国家を背負った丹下氏。古くは分離派建築会と佐野利器氏などの建築非芸術論派(?)構造派の関係(?)。反辰野、反西洋コピーを掲げ自我を獲得した建築家・後藤慶二氏・・・のように。
まさし駒生店で餃子を食べて(ここライスがあるんですけど・・・)、震災後2年を経てようやく開館にこぎつけた大谷資料館へ。震災直前からはそれほど大きな変化はなかったよう。でも、十数年前に比べて、手摺がしっかりしたとか、オブジェがおかれているとか、なによりも照明があかるくなってしまっている。もっと荒々しい場でよかった感じも。平日だというのに、たくさんの人が見学に来ていて静寂さも薄れているとこもある意味残念。青や赤や黄色の照明を入れることはしてほしくないな。驚いたのは、見学中、天内さんのすぐそばに上空から石が落ちてきて・・・。危うく大けがじゃん。これはチト驚き。
で、事前連絡していた作新学院円形体育館(1952)へ。これは以前ブログでも取りあげたけど、Docomomo-104番に選定されたとても重要な現代建築。巴組鉄工所(現:巴コーポレーション)の創業者・野澤一郎氏が開発したダイヤモンドトラスを使用した体育館。なんと、あのフラードームの原型となっているとか。素人にもわかるような空間や仕掛けがあるわけでもない、とってもとっても地味なこの施設、いったい誰が拾って、docomomoに推薦したのか、それが不思議。ちなみに野澤氏は真岡氏出身。真岡の学校にもこのトラスが使用されているそう。いやいたそれにしてもあいかわらず人が多い作新学院、全盛期の半分とはいえ1学年1500人だとか。一方、連結でも500人以下ととても従業員の少ない東証一部上場名門会社の巴さん。
それと日光真光教会(1914)を設計したガーディナーの弟子、神林敬吉氏による宇都宮聖ヨハネ教会(S7=1932年)へ。実は今まで全く見逃していた。神父さんにご説明していただき施設をくまなく見学。とっても保存状態が良い。半透明の窓ガラス、鉛による窓枠、鋳物の窓金物、さらにはラクダのなめし革による照明も当時のまま。RCの躯体に10cmほどの大谷石張り。内部は白く塗られ、上部は金物で補強された洋組に近い架構の下に装飾とも補強ともとれるアーチ材が添えられる。ここはプロテスタントの教会。祈りは個人に帰属し、厳かにそれぞれが行なうとのことだが、それゆえ権威主義的な雰囲気や華美なところがなく、西洋の田舎にある町の人たちの信仰を集めるような、なんともいえない素朴な暖かさがある教会に感じた。ある意味カトリックン松が峰と正反対。
施設の中でもっとも古いのは現・幼稚園舎。ちと悲しい形で改修されているが、明45年頃のものだとか。窓のプロポーションだけでずいぶん印象も違う。ココ、宇都宮の建築スポットに認定!
さらに、木々に覆われた藤本壮介氏の house before houseを上り下りして・・・。
黄色い光に包まれる松が峰教会
で、少し時間があったので、昨年竣工したKMCに突然お邪魔。(いつもすみません。)事前にココどうなっているかわかる?といってた内容は結局わからずだったよう。実は梁通し、連梁がキーワード。どこでもだれでもが理解し、再現可能な技術だけど、忘れてしまっている、または気づかないものを丁寧に拾った建築。
で、夜は珈琲だけじゃ・・・と言われ、でてきてしまった石の蔵によって私の事務所で40分ほどのプレ飲み会。とりあえず4人でワインを1本あける。
そして天内大樹さんのレクチャーは「建築と美と芸術~分離派建築会と現代~」と題されたもの。美とは、芸術とは、建築とは何か?を美学を納めた立場から解説。さらに博士論文となった分離派建築会とは何か?ということについてぴったり1時間で解説。いやいや・・・私でさえ3割方、名前さえ知らなかった方々の話。きっとみんな相当大変だったはず。飲みながらもひたすらメモをとり検索を行なっていた。詳しいレポはテープ起こしをしてからにしようと思うけど、とりあえずチェックするべき本は
芸術や美学の解説ででてきた
ヴァザーリ 画家・彫刻家・建築家列伝
スコット 人間主義の建築
アバークロンビー 芸術としての建築
で、芸術としての建築、芸術足らんとする意志、さらには他律的な存在を超えた自立的存在であることetc・・・。う〜ん、哲学や。
建築を理解するために以下の2冊を挙げ、天内さんは井上さん側とのコメント
上松祐二氏 建築美学の講義
井上充夫氏 建築美論の歩み
そして分離派建築会の理解の一助として
長谷川尭氏 神殿か獄舎か
山本学治氏 現代建築論 ほか
宮内嘉久氏 ジャーナリズム無頼
などなど・・・。
最後は、天内さんの指導教員、安西信一氏のモモクロの美学・・・(笑)
飲んで聞いていられるのは8割り方知っているような内容の時だけだな。芸術家は、あるものに異常な執着を示し、それを行なうことで心の安らぎを求める人。大正の日がないように歴史から取り残された妙な時代、大正時代。良いとは思わないけれど、その時の短期間に花咲いた妙な建築群であった分離派建築会に興味をいだき、哲学や美学分野に属しながら、論文テーマとしたとか。そのような簡単な枝葉しか思い出せず(涙) 今回はしっかりテープ起こしします。詳細レポはそれから。じゃないと書けん!!!
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ようやくできあがってきました。昨年末、カレンダー会社さんから「御社のK邸を使用して良いですか?」と連絡があり・・・「えっ 今から間に合うの???」 と思ったら、2014年のカレンダーだそうで(笑) 本日、それが届きました。掲載は現代住宅シリーズ。下の白い欄には工務店さんなどの名前が入り、お客様に配られるんでしょうね〜。写真左下に、とってもち〜っちゃく(STUDIOPOH K邸)と入っています。現代っていっても竣工は2005年5月と8年も前・・・。早速、Kさんに届けないと。
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いつもと同じ靴を購入。
最近歩いているからか、妙に靴底の減りが早い。新型は若干パターンが変わっている。
そして中敷も微妙に変化。少々撥水性も備わっているらしいのでちと期待。
で、ニュービートルの代車は2005年式のゴルフ。たった8年でライトのプラスチックがこんなに濁ってしまう。コストを落として、無理に造形に走るより、ガラスの丸ライトを使った方がやはり持つんだろうな・・・なんて思ってしまった。とても座り心地の良いシート、後席も座り易く充分なトランクもある。しっかりとしたハンドリングとスピードに対する安定感。とっても運転し易い。でも、やっぱり私は、運転してるぞって感じがする素朴なマニュアル車が好きだ。
今週も図面書きで引きこもります。
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週に1度のインプットの日。早起きして、まずは湯島。
開園と同時に重要文化財の岩﨑邸へ。文化財保護のため室内写真撮影禁止とのことだけど・・・写真を撮ると文化財って痛むの???江戸時代の写真をとると魂がとられると話を思い出す。
コンドルによる洋館部分は、なるほど植民地的というか、正統派輸入建築で、高い天井と飴色の木によるケーシング、ひらひらスカートの女性が降りてきそうな吹き抜けによる階段まわり。横長のバルコ二ーからはふんだんの緑が望める。オイルヒーターも各部屋に設けられ、最先端の設備を採用していたこともわかる。スイッチもかわいい。ただ、この形態やディテールがが日本の気候にあっているかはかなり疑問。
一方、和館部分は流石・・・。低く抑えられた開口部から覗く裏庭、とても深い庇、端正なプロポーション・・・。いやいや・・・大河吾十郎という名大工に、名棟梁に受け継がれた構成や寸法に絶句。もちろんこちらはコンドルは無関係。
で、9時半の開館と同時に国立近現代建築資料館へ入館。宣伝はしていないのに、平日で200人弱、休日は400人弱の来場者。しかも、それぞれが熱心に鑑賞するとのこと。
この施設、改修に拠るものなんだけど、アプローチの処理、形の取り合いなど、とても丁寧に設計されている。建築家の監修や実施設計事務所が入らず、国交省の設計監理のようだが、とても良い作品だと思った。就活マニュアルの公務員インタビューは、市、県と重ねてきたので、この方々にインタビューをしたくなった。
開館記念特別展示は「建築資料にみる東京オリンピック」。要は丹下健三氏の代々木オリンピックスタジアムの記録。青焼図面や現場写真、接合部のミニュチュアの展示の他、設備の井上宇一氏、構造の坪井善勝氏の功績にも注目しているし、それを担当だった神谷宏治氏、川口衛氏、尾島俊雄氏が当時を思い出した対談など・・・。実は現場監督も相当の能力を持った人で、一番苦労したのではないかと思える。だって、CADもコンピューターも無い時代、ややもすると電卓さえなく、計算尺で数値を導きだしていたのではないだろうか。そのような状態で、ある意味適当な手書きの図面からこの曲面を導き出し、誤差を吸収しつつ、形にできたのはとんでもないこと。就活マニュアルで、この話をお伺いするのも有りかもしれない。第一体育館は清水建設、第二体育館は大林組の施工。そういえば、先日行なわれた改修で、板金の割りが出せなかったとのお話も豊川さんからあったなあ。
で、もうひとつの展示は、新国立競技場の入選11作品。緑に包まれた作品がふたつ。どちら土に埋めてしまうためにモニュメンタリティという面で弱いから最優秀とならなかったのが想像される。伊東案のガラスで包んだヴォイドと客席の形状によって生まれたスクリーンが足下のレベルとしてはとても魅力的に感じた。一方、フラットで巨大な屋根が雨仕舞に一抹の不安を感じるし、すっきりした建築故、緑化建築同様モニュメンタリティが少々弱く感じてしまったかもしれない。木フレームと膜構造を使用し日本的なるものを想像させた梓設計、環境・設備をしっかり考慮し、合理性による屋根構造や機能性を丁寧に説明する山下設計。如何にも山下という真面目さがでている!そうそう、仙田満さんは、いつものように夢のあるかわいいデザイン。
国立競技場はやはりある種のモニュメンタリティが必要だと思うので、ザハ、SANAA案に絞られるのは解る。CGの段階ではザハに構造的合理性を見てしまうが、短期間での提案。それはいくらでも詰められよう。それよりも、足下に高低差を伴い人間のスケールで操作されているように見えたSANAA案のほうが良かったのではないかと個人的には感じた。終了後、警備員さんの声かけで、事務室によってパンフレットを2部いただく。
で、駿河台に移動。しか〜し、お目当ての堀口・神代展が終了してしまってた(涙)お洒落になったイメージがある明治大だけど、駿河台を歩く人々はそうでもない(謎笑)そして日大のバブル展示も終了していて・・・完全に無駄足。
気を取り直して、乃木坂へ。
まずは、ギャラリー間の「小屋へいこうよ(中村好文展)」。お客様は中高年。エントランス階に6つの小屋を並べ、その中に中村氏が魅かれた先人の小屋を写真やスケッチ、模型で展示。高村光太郎さんの高村山荘、猪谷六合雄さんのモバイルハウス、立原道造さんの風信子ハウス、コルビュジエの母の家、ソローのキャビン、堀江謙一さんのマーメイド号。
庭にはご自身の持ち物を運び込んだみ、Jパネルを構造体とする小屋を設置、2階はその小屋の建設経緯のほか、今までに設計した小屋の実例など。
建築なんて最小限の小屋で良いじゃん。あれこれ警戒して、重いディテールを背負わなくても良いじゃん。簡素に行こうよという印象を受けるもの。でも実際は、こだわりのディテールに、こだわりの材料を使用し、こだわりの道具を集めた贅沢な場所。(実はとても高額な坪単価だったりして(謎笑))
原稿に手をつけてないのでなんとなく後ろめたく・・・エクスナレッジビルの近くを通らないようにして、新国立美術館へ。実ははじめて訪れる(苦笑)
設計は黒川紀章氏。エントランスはいつもの円錐形。バイト時代、所員が100以上の円錐スタディをさせられていて・・・「もう何が良いんだかわからなくなっちゃったよ」と言うくらい。とても単純に展示室を列ね、そのエントランスを中間領域とし、柱や逆円錐形の要素を挿入しただけなんだけど、実は、そのくらい現れる形にはこだわりがあるのではないか。ディテールはとてもシャープ。
時間が押しているので「カリフォルニアモダンデザイン1930-1965 モダンリヴィングの起源」だけを見学。お客様は若中年のお洒落な方々。グリッドになったレールに沿って、付属の可動パネルが、千鳥に、そして隙間をあけて配置されている。いくつかの溜まりを設けながら、グルっと大回り、そして内回り。パネル間から向こうの展示を見せることでより広がりと期待のもてる空間になっている。会場デザインは中村竜治さん。
その温暖な気候と革新的な風土、工場とデザイナーの近接により安価にデザインの優れた質の良いグッズを供給していたカリフォルニア。工場の海外シフトなど、時代の流れで、それも叶わなくなってしまったが、その豊かな日々の記録を留めた展覧会。そういえば、中流層の住宅モデルを提案させるはずだったアーツアンドアーキテクチャー社のケーススタディハウスよりも、アイクラホーム社の量産住宅が庶民の住宅需要を満たし、ケーススタディハウスは中の上〜上のものとなってしまったというお話も描かれていた。
そして代官山。いやいや、代官山の子って、「素材(←タレントの大久保さんが言う処の)」はたいしたことがないかもしれないけど、身のこなしがお洒落・・・。こんなとこで仕事をしたい。で、某建築家のご子息に展覧会のご挨拶。某氏がご存命の時に改修した室内は師の影響を垣間みる雰囲気。友人が「ここにくると眠くなる」と言うと笑っていたが、とても落ち着く場所。
お話のなかで「火山のふもとで」という本をお聞きしたのでチェック!なんでも某系譜に属する建築家達が隠喩で描かれているらしい。
で、締めは都内某所(←っていっても検索ででてしまう?)の森山邸。これは新建築住宅特集編集部の方のご案内によるもの。じっくり内部を拝見させていただき、森山さんのお話を聞き(これはここに書けません)・・・。最小限の操作が生み出すというか、構成の微妙なシフトによって生まれる空間の強弱を感じ・・・。
で、バーベキュー開始。途中から建築家の松島潤平さんも合流。就活マニュアルや、シャープという価値観への収束、東工大の論文、隈さんの作品、松島さんのやろうとしているフェイクを肯定的にとらえようとしているお話などなど。あっという間に22時。住民が会社から戻り、森山棟の周りに集いはじめるなか、埼玉県美のIさんとお先に失礼してきました。実際は白い無機質の箱なんだけど、自然と一体となった、なんとなく、日本らしさや侘び寂び感の気配を感じる場。白い壁の室内におかれたまばらな葉をもつ植物もとても似合っている。いやいや、これ西澤さんの作品だけど、やはり森山さんの作品でもある。それを実感。人間は環境によって、感覚も、暮らし方も変わる。あとは提案する根性と、受け入れる勇気?
ようやく、実施設計の光が見えた。あとは整合性を出す作業。「星はいろんな意味で流せれば・・・」とアドバイスを受けたけど、流せないから、皆が流してしまうような実務で大切なことを建築知識で発表できるわけだし、就活マニュアルが書けるんだし、コスト本や、業界ガイド、そしてPOHのノウハウ集兼作品集の話も進むわけで・・・。まあ仕方ないと思う今日この頃。
ちょうど文章が書き終わる今、ようやく雀の宮に到着。今日はケチって普通シート。でも蓮田から座れました。ラッキー。長文御免。
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5月例会は28日(火)です!
講師は天内大樹さん。
例えば山田守の京都タワー。クリムトの影響をうけたゼツエツション館。わたしにゃその良さは全然わからないんですけど(苦笑) 分離派って何?建築って何?芸術って何?美しさって何?ってのを考えさせていただける、そして現代を理解できる一助になるレクチャーかなと思っています。ちなみにちょうど宇都宮美術館ではウイーン分離派のクリムト展、御茶ノ水の明治大学では堀口捨己展が開催中。堀口展には天内さんのお名前も。
http://u-moa.jp/exhibition/exhibition.html
http://meiji-architecture.net/event/2013_horiguchi+kojiro.php
以下、神原さんによる紹介文。参加希望の方は早めにご連絡を
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東京理科大学 坂牛卓研博士研究員の天内大樹(アマナイ ダイキ)さんのレクチャーとなります。
天内さんは、美学芸術学/建築思想史、日本の1920年代に活動した分離派建築会を中心に、日本の建築論を美学・芸術論との関係から体系化する研究をされています。
今回は「建築と美と芸術─分離派建築会と現代」というタイトルでお話し頂く予定です。具体的には、「建築」と芸術の関係、日本における「建築」と分離派建築会、前衛運動と現代、という3つのテーマを中心にレクチャーして頂きます。
「建築」という言葉で名指している営みと考え方は、どのような経緯を経て、どのような特徴をもっているのか、また建築において批評や理論はどのような意味をもっているのか、美学・芸術学を修められた天内さんのお立場からお話し頂きます。
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6月は益子林業の益子代表に「材木屋から見た仕様書」をお話いただき、7月は構造設計者の大内彰さんにお願いしています。
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ひたすらスケッチと図面書きを進めているので引きこもり。
が、ここのとこいろいろな人と話をする機会が多い。
☆建築よろず相談室のSKYPE会議
☆学生から就職や進路の相談 (数年前に懸念していたことが現実に・・・)
☆大学時代のサークルの後輩からの建築相談
☆ずっと前に竣工したお客さまの紹介での建築相談などなど
そして、1日のノルマ3kmのウオーキングで、専門学校で教えていた子にばったり会う。「アゴのラインがでてる!お腹が凹んでる!」って言われたのが嬉し。ここ半年で2割体重が増えたというその子と一緒に、更に6kmもあるきました(笑)
そういえば、4月に遠征した記事をあっぷしてなかったので追加
昼食を食べた後、原付ツーリングで真壁へ。主目的は昨年建築学会作品賞を受賞した設計組織ADHの真壁伝承館(2011)の見学。真壁の町家の要素を取り入れたという屋根の形態。資料館に置かれた街の模型を見ると配置や形態の説得力を感じる。
西側からの眺めも木の表層仕上げが効いているし、スケールも町並みにマッチしている。窓枠と木の見切り、棟間に飛ばされた庇、軒樋の処理は流石。ただ、上品で温かみのあるモダニスト(木下庸子さん)であったADHが、このようなポツ窓を散らす必要があったのか。白壁や黒壁を活かしたもっとオーソドックな形でまとめてほしかったというのは個人的思い。私はどうもこのような窓が生理的に苦手のよう。ポツ窓散らしはゼロ年代の代表的な設計要素なので、そのトリとしてはありなのかもしれないけど・・・。
資料館の解説どおり、伝承館の周りには古い町家が点在している。ただ・・・地震で瓦や土壁が落ちたものも多かったようで、シートや足場がかかっているものも多い。
江戸時代初期、真壁藩主が浅野長政だった時代、真壁は関西東北の商人の中継地として、また木綿市などが開かれる商業都市として発展。豊富な水資源によって酒造業も24軒と繁栄を極めたそう。その後、浅野氏の笠間への移封によって、真壁藩領の分割解体。明治時代には製糸、石材業もはじまったとのことだが、言ってみれば既に廃れてしまった地域。建物を更新するほどの力はなかったのではないか。その結果、このように歴史的な町並みが残る場となっている。
ただ、とても街が小さい上に、そのような町家も点在しているに過ぎない。保存や使用状態も良くはない。歴史的建築物や凍結・動的保存の動向には疎いのだけど、私の美的感覚から判断すると、このような建物や町並みがあったという歴史的価値、本物の材料が年月を経て生み出したノスタルジックな雰囲気以上の良さはないのではないかという感じも。ああ、これは自分の設計に取り入れたいなあ、というような要素は発見できなかったのがちと残念。
で、勢いで筑波山まで登り、京成ホテルでUターン。本日の走行距離115km。消費ガソリンは4L程度か。足がとにかく冷えるから何か買わないとダメだな。
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いろいろあったんだけど、忙しいので備忘録的にかつ端的にまとめて
まずはヨシダクラフトのオープンハウス。好きな建築家のディテールを真似したり、コストパフォーマンスのよい材や部材を探してきたり・・・勉強熱心な彼だからできたことと感心。3時間ちかく滞在。おつまみは甘いチョコ。
で、月曜はいつものように月例会。講師はYMOの山田浩幸さん。著書「エアコンのない家」からの、トピックの解説の他、アトリエ系建築家と組んだ物件の解説。理論通りいかないことや、減額対象の憂き目にあって、困ったネタなど・・・文章としては発表できないネタも満載(笑) そして、同行してきたとっても若く見えた女性スタッフさん(すみません10歳ほど若く思ってました)の一言「某アトリエにいたんですけど、所長に○○○と書かれ、これいいでしょ?といわれてもぜんぜんわからなくって・・・」。それに笑いながら共感。彼女も某名門建築家研究室の出だし、そのアトリエも超有名アトリエ。
いつものように埼玉県立近代美術館で定例の打ち合わせ。担当建築家と作品が決定。その後、「たまもん」と題された、同美術館所蔵の特別展を見学。八王子市夢美術館の浅沼さんからは坂本一成展の招待券やフライヤーをいただき解散。
ゴールデンウイークは花粉症で遅れてしまった仕事をとりもどそうとしていたのだけど・・・。鳥インフルエンザや北朝鮮事情。もしやと思って、ソウル便の検索をかけると、GW中だというのに燃料費税金込みで3万円から!。で、さらに調べると、昨年バルセロナに行ったマイルに税金(50ドル)だけで行けてしまうことを発見!で、急遽予約!
まずは東大門のザハ☆RCであってもハリボテ感が・・・。それはリミテッドデザインではないから???新国立競技場は大丈夫なのかな?
で、サムソンのリウム美術館。3人の建築家の競演。単純化されたボッタ。コの字の壁と掘り出したという石の壁でまとめられたヌーヴェル。黒い要素が振られ、様々なシーンを演出するコールハース。でも結局、ボクの心に強く響いたのはボッタ。
で、ペローの梨花女子大。正門から続くトレンチと両側の緑には強い説得力。同時に、そのために風が抜けず、直射日光が差し込むことの無い教室群をどう考えれば良いのか・・・。
そして、ソウル大の美術館。地下鉄の駅から歩いたらトンでもなく遠かった(涙)これ、建築の枠で捉えていいのかなあ・・・。と狭義の建築の定義をしがちな私の疑問。
もちろん、建築ばかりでなく、思う存分、日本では食べられないものも・・・。
下記の写真はココ
http://www.seoulnavi.com/food/2010/
日本のガイドにでてしまった店は日本人ばっか。そしてお勧めといいつつ一番高いものを勧めてくる。ややもすると、少々ぼったくる。韓国人ばかりの店で食べた時はホントにほっとした。日本語のメニューが無くても、優しく教えてくれるし。お勧めは本当にお勧めのもの。意外に反日ではないのかも。ちなみに帰りの飛行機は離陸前でもこんな状態・・・。安い訳です。
で、仕事に復帰しつつ・・・。
水戸芸術館の坂茂展の会期が終了間際なので、いつものI氏と一緒にお出かけ。今更だけど、紙管の接合部は鉄だったり、木だったり・・・。さらには紙の家に入ると紙の匂いがしたり・・・。図面で想像はしてたけど、想像以上にモノのスケールが大きい。また、構造に見えた木の柱はどうやら水平耐力を期待していないよう。ちと意外な発見が続いた展覧会。
で、20年ぶり(たぶん)に訪れた茨城キリスト教大学のサンタキアラ館。いやいや、白井さん本気の渾身の作?いつも感じてしまうハリボテ感は全くなし。グラウンドにポツンとたっていたこの教会も、周辺の樹木が成長し、3層程度に抑えられたタイル貼りの小さな校舎がならび、とても良い環境を形成している。成熟社会では、中途半端な国公立より、私学の方が強いんじゃないかな・・・。ちなみにキアラという名はカトリック系だそう。ココ、茨キリはプロテスタント系。なんでも名付けは白井さんだったそうで、それは・・・と言い出せなかった模様(笑)
で、妹島さんの新作・日立駅。写真以上の発見は、彼女の作品にしては珍しくなかったけど、このロケーションだけで充分。鉄骨の錆びは見ない振り(苦笑)
そしてなつかしい金馬車日立銀座店。1994年JCD環境大賞を受賞している。中も外も竣工当時からずいぶんかわってしまっているけど、商業建築で20年の時を迎えるのは立派。
ちなみにランチは水戸の「中国料理の鉄人」。元京成百貨店の地下(現京成百貨店の北側)。これで580円!もちろん20席ちかくあったテーブルは12時には満席。その後も近所のサラリーマンが押し寄せてくる。ごはんおかわり無料だけど、そんなに食べれる奴がいるのか(笑)
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