実践的家づくり学校
山本成一郎さんから本を送っていただく。家づくり学校講師室編著の「実践的家づくり学校 自分だけの武器をもて」。
「家づくりの会」は若手建築家9人が1983年に家を建てたい人と建築家をつなぐ場として結成。千駄ヶ谷のマンションにて、毎日当番制で建築家が相談にのる。そのほかに各種イベントを催したり。それによって今まで生まれた作品は650軒以上。
あれから30年、彼らも大御所。建築を志す30歳前後の設計者を対象とした「家づくり学校」を開始した。そのレクチャをベースにしたものが記録がこの本。自分だけの武器をもつようにと、生活や、構造・工法、素材、環境、外構、木、そして山本さんが担当された伝統から考えるという章が展開されていく。
彰国社らしく装丁や版組は堅いものの、大切なことが平易に、そして上品に書かれている良書。「木から考える」は11月例会で来ていただいた古川泰司さんの担当。一度話していただいているので、スーッと内容が頭に入ってくる。実はかなり高度で、専門的かつ実験的な内容。
実は後半にある、「事務所から考える」や「受講者の座談会」では、ギリギリの本音が語られており、そこも魅力。例えば、Q2:独立初期に生活するためにどのような努力をしましたか?という問い。40代の建築家は「主な生活費は妻の稼ぎ。引っ越し業者のポスティングをするバイトをして日銭を稼いでいた」とか、60代の建築家は「仕事をどのようにして得ることができるのか皆目見当もつかなかった。下請け仕事をする気にもなれず、毎日ブラブラしていた。簡単に言えば奥さんのヒモ」などなど。
このような、活動、著書・・・実は私があこがれるものなのです。
そうすれば街が変わるかもしれないので。
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