散々催促された原稿をようやくUP。練りに練っているから書き始めりゃすぐなんだけど、何故か筆が進まなかった日々。で、ほっと一息。気分転換に東京へ。
主目的は久々に見る吉村順三ギャラリー。ネタは「蓼科の山荘」。椅子に座って、細長い窓から下界を眺めるといういわゆるモダンリビングスタイルの別荘。プランはとっても単純化され廊下らしい廊下はない。台所や設備関係はCH=2100mmに抑えられ、居室は屋根勾配に沿った高い天井となる。また、300mm程だろうか、二階のボリュームが方持ちになってリビングにせり出してくるあたりはその要素を独立してみせた方がきれいという配慮だろう。今は手にはいりいくいラワンの建具、チープなと書いてあるが、今ではチープとは言えない唐松の下見板張り。時代を超えて愛され続ける良い見本を見せてもらったよう。
そうそう、元所員のお3方がボランティアで解説準備をしてくださり、さらに受付の女性も。新しい展示になるごとにメールがくるし、時には、葉書や封書までいただける。ほんと感心するしかない。芸大に吉村さんの系譜が消えてしまったのだけが心残り。
そして学習院大学敷地内にはじめて入る。門には警備員が立ち、来校者は受付をとのことなので、ちゃんと勤務先・連絡先・名前を名簿に記入。不審者と怪しまれたら、某准教授に助けを求めようかと(苦笑)。
建物が低い訳ではないのだが、緑に囲まれ、集う場が至る所にあり、なんとなく時間の流れがゆるやかな感じ。
新興大学だったらキッチュに見えてしまうような煉瓦タイルやヴォールトの意匠も府に落ちるような(謎)
典型的なモダニズム建築のこの新図書館も素敵。重量感と凹凸、緑に埋もれる姿。
そして別館という名で所々に残る重要文化財の木造校舎。ちなみにこれは元華族寮。
こちらは旧図書館。階段が石貼りだし独特の目地とRがついている、たぶんこれがノーブルな感じを醸し出す。
いやいや、目白っていいなあ。学習院大学に徳川家。都心なのに喧噪から離れた場所というか。ここだったら住んで疲れないんじゃないのかなあ。(家賃を払うために働き疲れるかもしれないが(笑))
そうそう、吉村順三ギャラリーの2階、3階はシェアオフィスになっているそう。詳細はこちら。
http://www.consultant.gr.jp/cdc/