3.11 万葉集 復活の塔
またもや五十嵐さんから本を頂く。
彦坂尚嘉・五十嵐太郎・芳賀沼整さん編著「3.11万葉集 復活の塔」
震災後、芳賀沼さんが絡んだ本はこれで3冊。南相馬の集会所につくった塔、彦坂さんにより57577のリズムで彩色が施されている。おそらくこの塔の製作が出版のきっかけなのだろう。
はしがきによれば万葉集は半数が作者未詳の歌であり、無名の民衆と支配者である天皇・貴族が同列に詩人=表現者として扱われていた、すなわち「集団性」と「連帯性」これが日本文化の本質を示すと記され、それが本書の根底であると記されている。その意をくみ、発刊にあたり、宮内庁の許可を得、皇族の詩を掲載している。
俳句は、記名はされているものの、それがどんな方かという紹介はなく、読み人知らずの状態で掲載され、背景には彦坂さんの絵が差し込まれている。震災と原発の記憶を残すように多数の写真も添えられている。3人の寄稿もそれぞれの立場から、あの日、それ以降を振り返り興味深いもの。
あの日、海辺で震災にあい、津波に街が、自分の設計した住宅が流されるのを見ても、このような活動ができる芳賀沼さんの強さをあらためて感じ・・・。
冗談で最近口にすることなのだが、例えば雨が漏る、家が揺れるなどクレーム続きであっても、それこそ訴訟になってこじれても、それでもチャレンジをし続ける建築家でないと建築家としてやっていけないのではないか・・・と最近思ったりする。ちなみに建築家は離婚を経験している人も多い(苦笑)
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