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2012年2月11日 (土)

No104

docomomoから封書が届く。中をあけると大きな大きなポースター[docomomo Future and Legacy]展のお知らせだ。UIA東京大会の関連事業だそう。あれ?それって去年の話ではと思ったら、その通り。ポスターはB4で切り取れるようになっていて、裏面にはdomomomo150選の建築名と解説が記されている。どうやら、切り取って冊子として保存して欲しいようだ。

目に止まったのが[No104作新学院円形体育館]。選定作品が宇都宮市内にあったなんて全く知らなかった。2003年に100選を選定、2005年の115選に選ばれていたようだ。せっかくなので、その解説を転記。

1952年/設計:巴組鉄工所/施工:巴組鉄工所/宇都宮市一ノ沢
第二次大戦前、巴組鉄工所の創業者野澤一郎が開発した立体トラス構造を使用するダイヤモンド・トラスの技術を、体育館に応用した初めての事例である。フーラー・ドームに影響を与えたとも言われるように世界的に見てもその技術的革新性は特筆に値する。ダイヤモンド・トラスは、構法的・材料的・経済的合理性を兼ね備えており、第二次大戦後、学校建築における体育館の屋根構造として日本全国に普及した。

巴組・ダイヤモンドトラスでググると確かにこんな解説がでてくる。

Dt1Dt2

残念ながら、作新学院のウエブサイトを見そんな記述は見つからず・・・。構内案内図でも円形体育館が重要な施設としての紹介はなし。一度見てみたいものだけど、私立だからちゃんと予約しないと厳しいだろうな・・・。

Saku1 Saku2

で、No106は上小沢邸。同様に転記。
1959年/設計:広瀬鎌二/施工:渡部建設/東京都品川区/改修:神保哲夫
1950年代、戦後の住宅難が続いた時代背景の中、SH(スチールハウス)シリーズと呼ばれる一連の鉄骨造住宅により、日本の工業化・規格化と新しい住様式創造の問題にとりくんだ広瀬鎌二の代表作のひとつ。この上小沢邸はRC造だが、各室を一列に並べテラスを全面に置く構成や、水平線を強調した伸びやかな外観デザインなどSHシリーズと共通し、広瀬の住宅作品の特徴をよく示す。所有者の意志により保存、改修され、現在レストランとして使用されている。

でもこの解説にはチト疑問。広瀬氏の代表作として取りあげらはじめたのは改修が行われてからの事。当時の状態を守り、モノをもたずストイックに住み続ける施主の住まい方がその評価の主要因だったと個人的には思う。各室を一列に並べる構成も広瀬デザインのなかで一般的だったとは言えないと思うし。さて、自分だったらこの建築をどう解説するだろう。鉄骨を避けた理由を紹介しつつ、前期作品分類上のポイントとなるSH1,SH13,SH30,SH64,SH67と比較して記せば良いのか。いざ自分で書く事を考えるととても難しい。

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