ホテルの目の前がケーブルカー・ハレクニの入り口だった。全く気づかず探す事数分。階段状ホームは見ているだけで楽しい。車内はこんな感じでとても閑散としている。運転手もいない。
終点モンジュイック駅のお隣、ロープウエイの駅舎もなかなかお洒落。木が入ることで柔らかく見えるし、デザイン要素がしっかり見える。誰が設計したんだろう。
本日の1つ目はミロ美術館。ホセ・ルイ・セントによる設計。1975年開館。ハイサイドウインドウから差し込む光をヴォールト壁で落とすこと、ワッフルスラブによる構造が特徴の美術館。絵画の保護のためだろう、ハイサイドウインドウは遮光スクリーンで閉じられている場所がほとんど。光が差し込んでいても、位置が高く人の目線からでは認識しにくい、さらには照明のほうが光が強く何も感じられず。これは勿体ない。近藤さんの白影も同じ形状だが、光に対するスケールが適切であるし、光を受ける階段状の要素があるため、はるかに素晴らしい。ここは2回増築が行われているが、1回目の増築は中庭と建物のとりあいが面白く、2回目の増築は最も光の扱い方が上手いような。そういえば、ワッフルスラブは端部が壁にめりこんでいるので、天井が面白くなっているという程度の印象。壁は、広めの木板材型枠に白いペンキ仕上げ、床はレンガタイル。強い日差しと、ミロの青にはあうなあ・・・。エントランスから見える中庭、奥の棟、その先に広がるバルセロナの町並みと丘陵。設計者の意図は見えるんだけど、ここにもロールスクリーンが下ろされ・・・。そういえば8角形の図書館は、中央に大きな丸テーブル、正面には樹木、本棚の上のハイサイドから光も差し込む。純粋幾何学というか、強い形は強い印象を受けるとあらためて実感。
そうそう、斉藤和義のミュージックビデオ「古い話」はミロの絵がソース? ピカソよりかわいい。
磯崎さんの体育館はパスして、2つ目は、お城を美術館に改装したというカタルーニャ美術館。あまり期待していなかったのだがこれはびっくり。大きくわけて展示室は3つ。ヴォールトが連続する古来のお城に、フレスコ画展示のためのヴォールトが設置され、複雑な広がりを生んでいるロマネスクゾーン。現代美術の展示室では、門型の基壇が幾重にも連なり、空調設備のラインが中央に走り2つの家型を形成する上段が配置される。ゴシックゾーンでは、展示は平凡で白い壁に行われているが、スチールの装飾照明が効果的に空間を演出している。全てのゾーンに共通するのだが、ところどころに、古城のヴォールトが見え、それが一層空間に厚みを増す。上手い・・・。設計は誰なんだろう。(いずれも展示室内につき撮影禁止)
で、再奥にあるホールはこのような感じ。ガラスの形状、鉄骨形状が装飾的だし、掃除もたいへんなのだろうが、とてもキレイ。
エントランスホールを見返すと、はスペイン広場や、フォスターのコイセローラタワーが見え、都市軸が強く意識される。圧巻。これはお勧め。
そうそう、6つの美術館の共通チケットをみつける。1館あたり10€するのに、なんと30€・・・。ミロ美術館も込。知ってればこっちを買ったのに。
さて本日のメインディッシュ(予定)はミースのバルセロナパビリオン。グーグルで探した時にチトでかくないかと思った通り、ちょっと大きすぎるような・・・。神が宿るような緊張感を期待していたのだけど、そんな感じは受けず。構造のフカシがあったり、光に強い操作がないためか、現地を訪れたからこそ感じるような強い感動はなく、ああバルセロナパビリオンにきたんだ・・・という印象。構造表現、スケールの調整を中心に自分で再設計したくなってしまった。帰り際、設計図書のような冊子を10€で購入。日本では見た事がない。ちなみに、2時からは昼休みで閉館になる。
それから、ランプラス通りに移動。既に2時近く。昨日外したので、地球の歩き方にでていたHORIGINALというお店へ。前菜・主菜・パン・デザート・飲み物で10.75€。(テラス席はプラス) まあ、そこそこ美味しい。
マイヤーの現代美術館はミュージアムショップだけを見学。スロープが透けてみえるし、外観もいつもと同じ印象なのでパス。隣の学校も見たかったが潜入不可。
モンジュイック市場は、鉄骨の大屋根に小さなボックス露天風店舗が並ぶ。空港で感じた基本的な構成に似てる。2時すぎだったため、開いているのは観光客目当てのようなフルーツ店が中心。そういえば、うさぎの姿肉ややぎの頭が普通に売っている。異様。
スーパーによって一時ホテルへ戻る。ワインは750ML1本1€から、ビールは330ML缶0.7€。アルコールほどではないけど、食料品は日本よりずっと安い。ユーロ安前であっても安かったはず。
夕食は http://www.tripadvisor.jp/ でチェックしていた[pollo rico]へ。予算384〜768円という激安店。入り口には鳥のロースター。
「美味い、安い、また来たい」との書き込みと共に、「床が汚く全ての人にお勧めできるわけではない」と書き込みにある。確かに床はこの通り(笑)でもテーブルはステンレス製だしとても清潔。1階はステンレスのカウンター席のみ、2階にテーブル席がある模様。
壁にはびっしりスペイン語でメニューが書かれているが、全く読めず。すると・・・日本語のメニューがでてくる。これは驚き。trip-adviserの口コミには日本人の書き込みはなかったのに。もちろん歩き方スペイン編にもない。でも・・・このメニューはベトベト・・・(笑)これだけでもダメなひとはダメだろうな・・・。場所はラバル地区内で、あまり治安の良くない場所らしい。
料理はこんな感じ。鳥の半身、ほうれん草のソテー、カタロニアのスープ、ワインハーフボトル、プリン・・・と頼み、2人で18.5€。夜だというのにとても安い。よく見ると店内はおじさんばかり。両隣の人は、酒と定食を頼み5〜6€で済ませていたし。私はこういうお店の方が好きだなあ。とてもお腹いっぱい。
スペイン人てイタリア人ほど陽気でないし、社交的でもないような。寡黙で真面目に見える。同じラテン系といってもけっこう違う。